投稿日:2024年05月29日/更新日:2024年09月12日

電気工事士とは?仕事内容、第一種と第二種との違いについて詳しく解説

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「電気工事士」という仕事を耳にしつつも、詳しい仕事内容が分からない方もいるのではないでしょうか?

電気工事士は、わたしたちの生活に必要な住宅やインフラなどの安全を守るために働いている人たちです。

今回は電気工事士の仕事内容や、その中で区別されている第一種と第二種について解説します。

電気工事士とは?

電気工事士とは、ビルや工場、住宅、インフラ設備などの電気工事を行う際に必要な国家資格です。

電気工事士法で定められた独占業務資格(資格保有者のみ業務を行える資格)であり、その仕事内容は、大きく以下の2種類にわかれます。

  • 建築電気工事:建物の屋内外の配線工事、冷暖房設備、太陽光発電・蓄電池の設置
  • 鉄道電気工事士:鉄道に関わる電気設備の施工や保守、照明やモニターなどの設置や点検も携わる

活用の幅が広い国家資格でありながら、電験三種などに比べれば、難易度はそこまで高くありません。

資格試験は年齢・学歴・職歴問わず誰でも受験できるため、人気の資格の1つです

第二種電気工事士と第一種電気工事士の違い

第二種電気工事士と第一種電気工事士の違いは「工事できる範囲の違い」「免状取得条件・講習受講義務の違い」があげられます。

どのような違いがあるのか、それぞれ解説します。

第二種電気工事士の工事範囲と取得条件

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できます。

第二種電気工事士試験に合格すれば、申請することで誰でも免状を取得できます。

また、第二種電気工事士の免状には有効期限はなく、一度取得すれば更新不要です。

第一種電気工事士の工事範囲と取得条件

第一種電気工事士は、第二種電気工事士が行える範囲に加えて、最大電力500キロワット未満のビルや工場、大規模な店舗などの工事に従事可能です。

免状申請には第一種電気工事士試験の合格に加え、3年以上の実務経験が必須となります。

さらに、第二種同様有効期限はありませんが、5年に一度定期講習を受講する法令上の義務があります。

また、返納の制度は、第一種電気工事士のみに設けられています。

年収・就職・転職状況の違い

第二種電気工事士の募集は、ビルメンテナンスの仕事や一般の電気工事会社など、第二種電気工事士を優遇して採用しているケースがよく見られます。

年収はおよそ400万円台~500万円台の募集が多いようです。

第一種電気工事士資格保持者の高年齢化が問題となっており、第一種電気工事士の資格を取得していることで、好条件の就職・転職の可能性が高くなります。

第一種電気工事士の保持者では、インフラ関連、公共工事関連での求人も多いのが大きな特徴です。

全体的に第二種電気工事士よりも年収は高く、経験次第で年収700万円~800万円という仕事も少なくありません。

また、1人親方として開業することも可能のため、独立したい方におすすめです。

電気工事士を取得する3つの大きなメリット

年齢問わず、需要の高まりと安定収入が魅力の電気工事士。

電気工事士の資格を取得する大きなメリットは、以下の3つが挙げられます。

  • 手に職が身につけられる
  • 就職や転職に便利
  • 将来性が高く安定している

それぞれのメリットについて解説します。

手に職が身につけられる

電気工事は資格がないと電気工事を行うことができないため、電気工事分野の専門家として活躍することができ、手に職を身につけられます。

求人も多く定年も設けていないため、経験を積むほど技術が磨かれ、一生ものの仕事にすることが可能です。

就職や転職に有利

電気工事士の需要は高く、求人も一年中あるのが大きなメリットです。

特に電気工事会社、建設会社、ビル管理・メンテナンス会社では、部署によって必須資格として挙げています。

就職時に持っていると転職にも使えるため、大変有利です。

この業界に転職する際は、細かい技術は現場で教えてくれることも多いので、安心できるでしょう。

まずは、第二種電気工事士資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

将来性が高く安定している

電気がある限り、電気工事士は必要とされます

近年オール電化住宅や太陽光発電設備などの家庭が増えている一方で、電気工事士が少ないため求人が多く見られます。

うまく調整すれば副業として働くのも可能なため、将来を見据えて取得するのをおすすめします。

電気工事士になるための流れ

第二種電気工事士は、毎年11万人以上の人が目指している、いま注目を集めている資格です。

電気工事士として作業に従事するためには、資格試験に合格後、免状取得が必須となります。

試験申込〜資格取得までの流れについて、詳しく見てみましょう。

第二種電気工事士の試験申込〜免状取得までの流れ

第二種電気工事士の試験申込〜免状取得までの流れは、以下の通りです。

  • 受験申込
  • 学科試験の受験 →合格
  • 技能試験の受験 →合格
  • 免状申請(実務経験は不要)
  • 免状取得

第二種電気工事士の試験は年2回行われ、誰でもチャレンジすることができます。

また、試験に合格した際は、実務経験がない人でも免状申請が可能です。

令和5年から学科試験にCBT方式が導入されたため、より柔軟に受験できるようになりました。

CBT方式の概要は、こちらの記事をご覧ください。

参照:令和6年(2023年)第二種電気工事士の試験日程|一般財団法人電気技術者試験センター

電気工事の会社に就職するだけでしたら、第二種電気工事士の免状がなくても採用される可能性があります。

また、働き盛りの若者が不足しているため、見習いとして様子を見てから資格取得を援護する会社もあります。

第一種電気工事士の試験申込〜免状取得までの一連の流れ

第一種電気工事士の試験申込〜免状取得の一連の流れは以下の通りです。

  • 受験申込
  • 学科試験の受験 →合格
  • 技能試験の受験 →合格
  • 免状申請(3年以上の実務経験が必須)
  • 免状取得(5年以内ごとの講習受講が必須)

第一種電気工事士の試験は年に1回行われます。

第二種電気工事士資格がなくても受験が可能ですが、試験合格後の免状申請には3年以上の実務経験が必須です。

試験の合格証に有効期限はないため、先に第二種と第一種の試験に合格したのち、実務経験を積んでから免状申請する人もいます。

また、第二種を受けずに第一種電気工事士だけ合格した状態であっても「認定電気工事従事者」の申請をすることで、実務経験を積むことが可能です。

参照:令和6年(2023年)第一種電気工事士の試験日程|一般財団法人電気技術者試験センター

電気工事士の試験概要

第一種・第二種試験には、以下の共通点ともいえる特徴があります。

  • 受験資格は特になく、年齢・学歴・職歴問わず誰でも受験が可能
  • 試験科目は学科と技能の2科目あり、両方の合格が必要
  • 学科試験(筆記/CBT)は四肢択一で出題される
  • 技能試験では試験会場で工作物を制作する(工具は持参する)
  • 技能試験の候補問題が事前に公表されている

第二種と第一種、それぞれの試験について解説します。

第二種電気工事士の試験方法

以下の科目と範囲から出題される一般問題、配線図問題に四肢択一方式で解答を行います。

また、学科試験の試験方法は、次のどちらかを選択できます。

筆記方式 問題用紙とマークシートを用いて行う試験方式
CBT方式 問題用紙やマークシートの代わりに指定会場に準備されたパソコンの画面上で行う試験方式 (受験申込完了後、受験日時及び会場を選択する必要があります)
試験時間 120分
出題数 50問
一般問題 30問題程度
配線図問題 20問題程度

*試験時間、出題数は変更される場合があります。

参照:電気技術者試験センター|第二種電気工事士試験「学科試験のポイント」|一般社団法人電気技術者試験センター

第二種電気工事士試験の科目と範囲

学科試験科目は、以下の7科目です。

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論及び配線設計
  • 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物等の検査方法
  • 配線図
  • 一般用電気工作物等の保安に関する法令

第一種電気工事士の試験方法

以下の科目と範囲から出題される一般問題、配線図問題に四肢択一方式で解答します。

学科試験の試験方式は、次のどちらかを選択できます。

筆記方式 問題用紙とマークシートを用いて行う試験方式
CBT方式 問題用紙やマークシートの代わりに指定会場に準備されたパソコンの画面上で行う試験方式(受験申込完了後、受験日時及び会場を選択していただく必要があります)
試験時間 140分
出題数 50問
一般問題 40問程度
配線図問題 10問程度

*試験時間、出題数は変更される場合があるため、必ず確認をしましょう。

参照:電気技術者試験センター|第一種電気工事士試験「学科試験のポイント」|一般社団法人電技術者試験センター

第一種電気工事士試験の科目と範囲

学科試験科目は、以下の9科目から出題されます。

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論及び配線設計
  • 電気応用
  • 電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  • 電気工事の施工方法
  • 自家用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 発電施設、送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  • 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

電気工事士に合格するためのテクニック

学科試験(CBまたは/筆記)は、およそ暗記80%・計算20%の比率で問題が作られています。

合格するためには、以下の3つのポイントが合格への道につながるでしょう。

  • 幅広い学習テーマの中から優先順位をつける
  • 基礎知識をしっかりと覚える
  • 過去問題を繰り返し解いて攻略す

最後まで解いたら、必ずチェックを忘れずにしましょう。

技能試験に合格にするためのテクニック

技能試験に合格するためには、事前に公表される課題【第二種13問・第一種10問】の手順に慣れて時間配分をしっかりと調整し、完璧に作り上げることが必要となります。

そして何より、自信を持って最後まで取り組むことが大切です。

暮らしの安全を届ける電気工事士を目指そう!

電気工事士は、将来性が高くメリットが豊富な職業で、特に細かい作業が得意な方や安定したお仕事を職にしたい方にぴったりです。

電気がある限り必要とされる職業なので、やりがいも感じられますよ

気になる方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

多くの人々に必要とされる仕事で、働くことの尊さを感じられますように。

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