投稿日:2024年04月24日/更新日:2024年09月12日
【成功事例あり】eラーニングの基本やトレンド、成功させるポイント
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社員教育の方法として、eラーニングを検討中の人事担当の方のなかには、下記のような点で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
- 「eラーニングは聞いたことはあるけれど、使ったことはない」
- 「どのようなeラーニング教材があるのかわからない」
本記事では、eラーニングの基本やメリット、デメリット、導入事例や成功ポイントを分かりやすく解説します。
ぜひ、効果的な社員教育の手法を検討する際の参考にしてください。
近年注目を浴びているeラーニングとは?
eラーニングとは、コンピューターなどのデジタル機器を使って、インターネットを通して学習や研修を行う方法です。
研修会場や教室に行かなくてもインターネット環境が整っていれば、受講者は時間や場所を問わずにいつでも好きなタイミングで学習できるため、近年注目されています。
今後もeラーニングを利用した学習方法はどんどん進化するため、導入を検討する際には最新情報をフォローしましょう。
eラーニング以外のオフライン・集合研修の問題点
eラーニングが登場する前は、オフラインでの集合研修が主流でした。
オフラインでの集合研修には以下のような問題点があります。
- 実施に大きな労力がかかる
- 受講者の学習理解度が異なる
この2点を詳しく解説します。
実施に大きな労力がかかる
オフライン研修の実施において、研修企画や対象者の決定、タイムテーブルの作成・講師の選定など、担当者に多くの労力がかかっていました。
一方eラーニングでは、研修コンテンツをシステムにアップロードして、対象者に受講の時期について伝えるだけで実施できます。
そのため、細かい日程調整や場所取り、講師の選定は不要です。
受講者の学習理解度が異なる
オフラインでの集合研修は、ひとまとめに実施されるため、個々の社員に合わせた研修内容ではないケースがほとんどです。
また、オフラインでの集合研修では、講師を招いて授業形式で行います。
そのため、研修内容を理解できなかった受講者のために再度同じ研修を実施するのは難しいでしょう。
一方、eラーニングでは、受講者の理解が追いつかなくても映像を巻き戻して視聴したり、不明点を調べたりしながら受講できます。
eラーニングに必要なもの
eラーニングの導入をする際には、必要なものが3つあります。
- 学習管理システム
- 教材・学習材
- 学習者への支援
それぞれ解説します。
学習管理システム
1つめは、ぜひeラーニングの学習管理システム(LMS)を導入しましょう。
LMSでは、以下の内容を一括して行います。
- 教師や講師による教材や学習材の保管や蓄積
- 学習者に対する教材や学習材の配信管理
- 学習者の学習履歴や成績などの統合的な管理
eラーニングを導入するにあたり、LMSを導入せずにすべて自社システムで内製・運用することも可能ですが、多大な時間・費用・人材コストがかかります。
そのため、手軽で簡単、使いやすく一括で管理できるLMSを導入するのがおすすめです。
LMSは、国内外の受講者の進捗や成績、成果を把握する目的でつくられたシステムですが、受講者にとってはポータルサイトとして活用可能です。
また、最近では受講者同士で意見や情報交換ができる機能を備えたLMSも登場しています。
教材・学習材
eラーニングの学習教材はさまざまです。
そのなかから企業の業種・働き方・職場環境に合わせて適切な教材を選択しなければなりません。
- ビジネスマナーの基礎を学べる教材
- 管理職や専門知識が学べる教材
便利な学習管理システムを導入しても、学習教材の選定が最適でなければeラーニング本来の効果は期待できません。
そのため、企業に合った教材を選択しましょう。
LMSを導入する際には、どのようなものがパッケージで入っているのかもチェックしておくと安心です。
受講者への支援
最後は、受講者や学習者への支援ができる仕組みです。
eラーニングは、個人の主体性にまかせて学習を進めます。
そのため、学習者のモチベーション維持が最大の課題です。
企業内で活用する場合は、定期的なコミュニケーションが取れる場を設けたり、チャットツールを導入したりしながら、受講者への支援を行いましょう。
また、学習支援者の存在は受講者の意欲低下を防ぎ、理解の促進につながるため、eラーニング成功のために必須の施策です。
現在のeラーニングトレンド
eラーニングは、1950年代に登場した「CAI(コンピューターを利用して教育を支援する考え方)」を発端に、今日まで発展してきました。
近年では、テレワークの普及や利用者のニーズの変化に合わせて、年々進化しています。
また、さまざまな市場調査レポートを提供しているケネス・リサーチは、世界のeラーニング市場は2020年から2026年の予測期間中に大幅な成長率(CAGR)が見込まれると予測しています。
参照:世界のEラーニング市場|KENNETH RESEARCH
このように、eラーニングは今後も継続して伸び続ける分野の1つといえるでしょう。
本章では、現在のトレンドについて、簡単に紹介します。
クラウド型で最新の教育を簡単に導入可能
eラーニングのトレンドは、クラウド型。
クラウド型は、インターネット環境のみで常に最新のコンテンツを活用できます。
自動的に最新の状態にアップデートされたコンテンツを受け取れるため、常に情報鮮度が高い状態で教育を実施できる点が魅力的です。
また、近年では、顔認証システムも使われています。
本人でなければ受講できないため、セキュリティの向上や資格試験・検定、資格講習などに用いられています。
2.アクティブラーニング重視
eラーニングを使ったアクティブラーニングでは、解説のあとに問いかけを行い、受講者の理解をより一層深める「会話主体」でレッスンを進められます。
また、最新のeラーニングでは、社員が交流できる機能がついており、学びたいコンテンツを自分で探せます。
eラーニングにアクティブラーニングを取り入れると、受講者に自ら考えるように促せるため、主体性のある社員の育成にもつながるでしょう。
課題提出なども可能
現在のeラーニングシステムでは、テストやアンケート、課題提出が可能です。
提出した課題に対して、上司から採点・フィードバックをもらえる機能などもあるため、双方向型の学習もできます。
また、アンケートや課題提出を通して、学習者の講座満足度や知識定着度も測定可能です。
教育効果の可視化や、改善に役立てられるでしょう。
進捗管理が簡単
現在のeラーニングでは、大規模なデータ収集・分析が簡単に行えます。
数十年前は、コンテンツ管理や進捗管理には大変な手間と時間がかかりました。
そのため、学習者の受講状況や効果測定も困難でしたが、現在ではAIやビッグデータの活用で管理が容易になっています。
また、管理システム自体も直感的な操作で行えるため、属人化を防げる点もメリットでしょう。
知識だけの学習から体験する学習へ
最近では、VR技術を使って「体験」を擬似的に得られるeラーニングが出てきました。
VR技術により、これまでのeラーニングでは難しかった「実技の学習」への対応も可能です。
しかし、技術やコストの面でVR学習法はなかなか普及していません。
そこで「ロール・プレイング型」のeラーニングが注目されています。
たとえば、トラブルの対処の仕方を学ぶケースを考えましょう。
- 発生したトラブルに対してどのように対処するか考える
- 正しい対処法との違いを確認する
- この流れを用意されたトラブルの事例ごとに繰り返す
ロール・プレイング型のeラーニングは、開発コストはそれなりにかかりますが、対費用効果は高いため注目されています。
eラーニングのメリット
eラーニングのメリットは以下の5つです。
- いつでもどこでも学習ができる
- 教育の質が均一化できる
- 学習の進捗管理やフィードバックがしやすい
- 教材やプログラムの変更がしやすい
- 最新の教材を提供できる
それぞれ詳しく紹介します。
いつでもどこでも学習ができる
eラーニングの最大のメリットは、時間や場所を問わずに受講者のタイミングで学習に取り組める点です。
最近では「マイクロラーニング」が注目されています。
マイクロラーニングとは、5分〜15分の短時間で学習する方法です。
eラーニングと相性がよく、スキマ学習にも適しているため、忙しい人でも受講できます。
教育の質を均一化できる
eラーニングを活用すれば、講師によるムラがなく、均一した学習を提供可能です。
そのため、教育の品質を統一することができるのです。
また、同じ学習コンテンツを使えば、全従業員や事業所全体で、知識やスキルの統一化ができるでしょう。
学習の進捗管理やフィードバックがしやすい
eラーニングでは、学習データの開示を要求できます。
この学習データを社内の離職率やエンゲージメント、ストレスチェックなどのデータと組み合わせれば、社内政策の効果測定への活用も可能です。
また、eラーニングでは、進捗状況やテスト結果などをプログラムの自動処理もできます。
自動処理ができれば、手入力や紙ベースでの管理は不要になるため、簡単で効率的な一元管理を実現できるでしょう。
教材やプログラムの変更がしやすい
eラーニングでは、学習コンテンツが単一化されています。
そのため、学習コンテンツの修正や変更などが必要になっても、LSMシステム内での簡単なクリック操作だけで編集が完結できる点もメリットです。
教材の修正やアップデートも容易なため、最新の情報を学習者に提供できます。
学習コンテンツを変更したあとの迅速な反映は魅力的といえるでしょう。
最新の教材を提供できる
対面での集合研修の場合、教育担当者が研修に必要な資料やカリキュラムの作成を行います。
そのため、知識が最新でない場合もあるでしょう。
一方で、eラーニングは最新の知識を教材とするため、受講者全員に質の高い教育の提供が可能です。
eラーニングのデメリット
eラーニングにはメリットの反面、デメリットも存在します。
主なデメリットは以下のとおりです。
- 学習者のモチベーション維持が難しい
- 教材が必要である
- 実技は習得が難しい
それぞれ解説します。
学習者のモチベーション維持が難しい
eラーニングは、仲間と一緒に雑談を交えながら学習できず、個人のモチベーションに依存しています。
そのため、モチベーション低下は大きな問題の1つです。
また、自宅で学習する場合には、業務終了後に時間を取る必要があり、受講者にとって大きな負担となるでしょう。
学習者が学習に負担を感じず、モチベーションを維持するために、コミュニティを用意するなどの対策が必要です。
教材作成に手間がかかる
一般的な教育のコンテンツは購入が可能ですが、自社に特化した教育や研修用の教材は内製しなければなりません。
ノウハウが無いなかで、eラーニング教材を作るのは困難であり、手間やコストもかかります。
そこで、LMSを導入することはもちろん、必要に応じて外部依頼も検討しておきましょう。
実技は習得が難しい
eラーニングはパソコンやスマートフォンなどを使った視聴型のコンテンツです。
そのため、体験学習や実技演習に不向きなものがほとんどです。
しかし、近年では、プログラミング研修など、実技に適したコンテンツも存在します。
会話ツールを通して英語などの言語習得や、VR技術を使って実技の習得も実現しつつあります。
eラーニングの導入前に、社員に習得させたい内容との相性をチェックしましょう。
コミュニケーション機会が少ない
eラーニングは単独で学習を進めるのが基本です。
そのため、内容に不明な点や疑問があってもその場の解決は困難です。
また、リアルタイムの集合研修や現場教育では受講者同士が学びの共有などが可能ですが、eラーニングではできません。
eラーニングの導入にあたっては、質問対応窓口を設置したり、社内SNSを活用したりするなどの工夫が必要です。
eラーニングを成功させる4つのポイント
eラーニングを成功させるには以下の点に注意しましょう。
- 導入の目的を明確にする
- 教材の質を高める
- リアルでのコミュニケーション機会を設ける
- 学習状況によってフォローアップを実施する
それぞれ解説します。
導入の目的を明確にする
社員に課題を達成させるために、導入の目的を明確にしましょう。
なぜeラーニングを使うのか、どのような目的なのか、目指すゴールを受講者と共有することで、明確な目的意識をもって学習へ望めます。
教材の質を高める
eラーニングを成功させるには、教材の質を高めることです。
アンケート機能などを活用し、受講者の意見をヒアリング・修正を加えて、より良い学習コンテンツへと改変し続けましょう。
質を高め続けることで、受講者の離脱を防ぐことはもちろん、学習効果の向上が期待できます。
リアルでのコミュニケーション機会を設ける
受講者同士のコミュニケーションは、モチベーションの維持や情報交換のために欠かせないポイントです。
eラーニングのみで研修を完結させずに、リアルでの学習機会も並行して設けましょう。
リアルでのコミュニケーションが難しい場合には、チャット機能やビデオ会議ツールでの相互コミュニケーションも有効です。
学習状況によってフォローアップを実施する
eラーニングの導入をする際は、フォローアップの仕組みを作りましょう。
受講者の学習効率を最大化するには、管理者側のフォローアップが大きなポイントです。
受講者が自ら学習意欲を持つためにも、最適化した学習環境の提供やきっかけ作りが必須です。
eラーニング導入事例
最後に、eラーニングの導入事例を紹介します。
- 株式会社ぐるなび
- 株式会社バイク王&カンパニー
- ダスキンミスタードーナツ
実際に導入する際の参考にしてください。
1.株式会社ぐるなび
株式会社ぐるなびは、飲食店の情報サイトや店舗効率化のサポートなどを行う大手企業です。
集合研修で営業メンバーの育成を実施していましたが、受講者の日程調整や会場の手配などが受講者・管理者双方に大きな負担になっていました。
eラーニング導入後は、積極的にコンテンツを受講するメンバーが増えています。
- 受講情報の管理やアンケート結果などの情報を一元管理できるようになった
- レポート機能で進捗状況のフィードバックやアンケート結果の共有をした
eラーニングシステムで育成情報の一元管理に成功した事例といえるでしょう。
2.株式会社バイク王&カンパニー
株式会社バイク王&カンパニーでは「社員の成長を応援する」を理念としています。
そのため、eラーニング導入前から社員より前向きな要望が上がっていました。
- 仕事に活かせる知識が欲しい
- 成績や業務効率をもっと上げたい
- 新しいコトにチャレンジしたい
しかし、株式会社バイク王&カンパニーは全国展開しているため、集合研修を行うのは困難です。
そこで、時間や場所に縛られずに研修を受講できるeラーニングを導入しました。
その結果、若手のうちから自己啓発に取り組み、自身の業務や数値結果に表れる社員も多くなりました。
早期から昇進を果たす社員も増えたそうです。
3.株式会社ダスキン
株式会社ダスキンでは、1970年の事業開始当初から教育専門施設「ミスタードーナツカレッジ」を創設し、加盟店を対象に研修を行っています。
長年集合研修のみを行っていた一方で、泊まり込みで研修受けるのはショップの人員的にも、スタッフ個人としても負担が大きく、研修を受けられないスタッフが増えました。
そこではじめたのが、eラーニングによる個別学習を導入した地域研修です。
学習から最終テストまでをすべてeラーニングで行い、地域で完結できるようになりました。
現在では、研修の門戸を広げ、優秀なマネジメントスタッフの育成ができています。
まとめ
eラーニングは、インターネットを通して学習や研修を行う方法です。
導入コストがかかるなどの懸念点はありますが、それ以上のメリットが得られるでしょう。
eラーニング成功のためには、フォローアップのしくみやリアルでのコミュニケーション機会を設けるなどの工夫が必要です。
しかし、優秀なスタッフや従業員が育成できれば、企業価値の向上にもつながります。
ぜひ、今回の記事を参考に、eラーニングを導入してみましょう。