投稿日:2024年08月11日/更新日:2024年09月12日
危険物取扱者とは|甲乙丙種分類や受験資格、難易度を徹底解説
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「危険物取扱者」は、比較的短時間の学習で合格できる国家資格のため、就職や転職に向けて資格の取得を目指す人気資格の1つです。
しかし、具体的な業務や試験内容など、よく分からない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、危険物取扱者試験の受験資格や難易度、勉強法などを解説します。
資格を取得し、幅広い仕事を任されるとモチベーションアップはもちろん給料アップにもつながります。
受験を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
危険物取扱者とは
危険物取扱者とは、消防法で定められた危険物の取扱いや管理のために不可欠な国家資格で、特定の危険物の取扱いや定期点検、保安の監督を担当します。
ガソリンスタンドや化学工場、タンクローリーの運転手、石油会社、自動車整備工場、薬品会社など幅広い職業で活用可能です。
危険物取扱者は新しい知識や技能を習得するための講習を3年ごとに受けなければならず、講習を受けなければ免許の返納を求められることもあります。
また、危険物取扱者は区分によって取り扱える危険物が違うため、確認しておきましょう。
甲種
消防法で定められたすべての危険物の取り扱いや無資格者への立ち会いが認められます。
また、危険物取扱者として6ヶ月以上実務経験を積めば、危険物保安監督者にもなれます。
危険物保安監督者とは危険物を取り扱う施設で保安の監督業務を行う、施設の責任者のことです。
乙種
乙種は第1類から第6類の中から、試験に合格した類の危険物のみ取り扱いができます。
なかでもガソリンや灯油など身近な石油類が扱える「乙種第4類危険物取扱者(乙4)」が人気です。
乙4を取得すると、ガソリンスタンドでのアルバイトでも時給が上がり、危険物を取り扱う職種では就職に有利になるため、学生の受験者も多くいます。
丙種
丙種は、ガソリンや灯油・重油・軽油・潤滑油・引火点130℃以上の第3石油類・第4石油類、動植物油類のみ取り扱います。
ただし、無資格者への立ち会いはできず、実務経験があっても危険物保安監督者にはなれません。
危険物取扱者試験の受験資格とは
乙種、丙種に受験資格はありません。
誰でも挑戦できるため、これから危険物資格の勉強を始める人には向いているでしょう。
受験費用は以下のとおりです。
- 甲種:7,200円
- 乙種:5,300円
- 丙種:4,200円
ただし、甲種のみ受験資格が決まっています。
- 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業している
- 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した
- 乙種危険物取扱者免状を持っていて、実務経験を2年以上積んでいる
- 乙種危険物取扱者免状を持っている(第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類)
- 化学に関する事項を専攻し、修士・博士の学位を持っている
初めて危険物の資格をとる方は、乙4から始めるのがおすすめです。
危険物取扱者試験の合格基準
危険物取扱者試験の合格基準は以下の通りです。
- 甲・乙・丙種のいずれも試験科目ごとの得点がそれぞれ60%以上
- 一部免除を受けた場合はその試験科目を除いて60%以上の得点率
得意な科目で満点を取っても他の科目で60%を下回ると不合格になります。
得意不得意に関わらず全体的な学習が大切です。
また、試験の結果は、合否と各科目の正答率が受験生に通知されます。
不合格の場合でも自身の弱点が把握できるため、再受験する際の対策もしやすいでしょう。
危険物取扱者試験の合格率と難易度
3つの区分のうち、最も難易度が低いのが乙種です。
各種別での合格率と難易度を解説します。
甲種
甲種が取り扱える危険物の範囲が最も広いため難易度は高く、30〜40%程度の合格率です。
大学で化学を学んだ人や、乙種を取得した人が受験しても3人に1人程度しか合格できないともいわれています。
第1類から第6類までの危険物の学習をする必要があり、十分な試験対策が必要です。
乙種
第4類は30%前後、ほかは60〜70%程度の合格率です。
第4類以外は全体的に難易度はそれほど高くないといえるでしょう。
また、乙種は基本的な内容が中心であるため、高卒程度の学力でクリアできます。
丙種
合格率は50%前後で、難易度は最も簡単です。
高校生レベルの学力は問われますが、物理学と化学の分野からの出題がなく、ほかのジャンルにおいても出題範囲が限られています。
レベルが高くないうえ問題数も少なく試験範囲も限られているため、対策しやすいことが丙種のメリットです。
危険物取扱者試験の勉強法・対策方法
危険物取扱者資格を取得するためには、テキストでの基礎学習が大切です。
人気の乙4は、約1~3カ月くらいの勉強で取得可能ともいわれています。
試験の大部分は暗記で、計算問題などの理解を要する問題は少ないため、問題集を使った反復演習が効果的。
また、似たような問題が出題されるケースも多くあります。
毎年過去問題の一部を公表している消防試験研究センターのホームページは目を通しておいて損はありません。
まとめ
本記事では、危険物取扱者試験の受験資格や難易度、勉強法について解説しました。
危険物取扱者とは、火災の危険性がある危険物の取り扱いや管理のために不可欠な国家資格であり、比較的取得しやすい資格です。
試験には甲種・乙種・丙種の3つの区分があり、区分ごとに勉強する範囲や出題数が異なります。
なかでも汎用性の高い乙4が人気です。
取得するとアルバイトでも時給が上がる可能性もあるため、学生の受験者も多くいます。
テキストの反復演習や通信講座の受講など、自身に合った学習方法で合格を目指しましょう。