投稿日:2024年08月21日/更新日:2024年09月12日
着工・施工・竣工とは?それぞれの意味と類似語をわかりやすく解説
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建築業界の専門用語には、聞きなじみのない言葉や難しい言葉が多くあります。
「着工」「施工」「竣工」はよく聞く言葉であるものの、いまいち意味合いが分からないと思う方は多いのではないでしょうか。
本記事では、3つの用語の意味や、似た意味の言葉、図面の違いなどを解説します。
着工とは
「着工(ちゃっこう)」とは、工事の開始を意味する言葉です。
つまり「工事に着手すること」を指します。
また、着工は好き勝手に始めることはできません。
着工届や確認済証など、必要書類を提出してから工事を開始します。
着工と似た意味の言葉
着工と似た意味の言葉として、以下の3つを解説します。
- 起工(きこう)
- 定礎(ていそ)
- 着手(ちゃくしゅ)
どれも建物を建てるときに頻出する用語であるため、知っていると便利です。
起工(きこう)
「起工」は、着工と同じ意味ですが、主に大規模な工事のときに使われる言葉です。
一般的には住宅の建築やリフォーム工事着工前のタイミングで行われる「起工式」が有名でしょう。
起工式では、工事関係者と施主が集まり工事の安全を祈ります。
なお、起工式と着工式には大きな違いはありません。
個人宅なら「着工式」、社屋などの建物なら「起工式」と考えられる場合もあります。
定礎(ていそ)
工事のスタートを指す言葉が「定礎」で、建物の柱を支える土台の石が「礎石」です。
本来の定礎の意味では、礎石を据えてから工事をスタートします。
ビルや施設などで見かける「定礎」と書かれたプレートがその際に埋め込まれる石です。
この儀式には、建物の安全への願いが込められています。
着手(ちゃくしゅ)
「着手」とは、何かを開始する意味で、日常的にも使用される言葉です。
着工や起工は主に工事に限定される一方で、着手は工事に限定はされません。
たとえば「工事に着手する」といった場合は、着工と同じ意味になります。
施工とは
「施工(せこう)」は、建物を建築している状態、建築中であることを指す言葉です。
家を建てている最中や、街中で工事が行われている様子はすべて「施工」にあたります。
竣工とは
「竣工(しゅんこう)」とは、工事がすべて終了し、施主に物件が渡った状態を指します。
この際、工事が終わっただけでなく、竣工検査(建物の品質や機能性、安全性などを評価する最終検査)まで終わり、施主が使える状態でなければいけません。
また「竣工式」では、建築物の工事が無事完了し、ことの成就を感謝するとともに一般に披露するために行う儀式で、工事関係者や施工主の取引先などが招待されます。
竣工と似た意味の言葉
竣工と似た意味の言葉を2つ紹介します。
- 落成(らくせい)
- 完工(かんこう)
それぞれ大まかな意味を知っておきましょう。
落成(らくせい)
意味は竣工と同じですが、使われるシーンやニュアンスが異なります。
「落成」は、建物自体の完成を指す場合が多く、施主がよく使う言葉です。
なお「落成式」は、建物の完成を祝い、関係者に披露するための式典です。
工事関係者や取引先以外のほかに、工事中の騒音や資材搬入などで迷惑をかけた近隣住民なども招待します。
完工(かんこう)
竣工と同じく工事完了を意味します。
すべての工事が完了したというニュアンスが強い言葉です。
マンションでは「竣工」を使うのが一般的ですが、一戸建てでは「完工」や「完成」を使うケースが多くあります。
設計図と施工図とは?2つの図面の違い
建物を工事するときに使われる図面は、次の2種類です。
- 設計図
- 施工図
それぞれ解説します。
設計図
「設計図」とは工事にかかる前に作られ、建築図面とも呼ばれる図面です。
設計図には、建物全体にかかるできあがり寸法が書かれていますが、細かい寸法は記載されていません。
施工図
「施工図」は、細かい寸法まで詳細に記載した図面のことです。
設計図を元に、目には見えていない大切な部分の寸法を記載しており、施工図を元に工事が着工されます。
下請事業者や職人に的確な指示を出したり、情報共有したりするためにも使われます。
まとめ
本記事では「着工」「施工」「竣工」の意味や、似た意味の言葉、図面の違いなどを解説した。
どれも、工事の過程を表す言葉です。
近所で工事が予定されている建物や道路などを見る際に、着工・施工・竣工のどれに当てはまるか考えてみるとイメージがしやすくなるかもしれません。
自宅や店舗を新築、リフォームする予定がある人や、これから建築・建設関連で働きたい方は覚えておきましょう。