投稿日:2024年09月12日/更新日:2024年09月12日

ゼネコンとサブコンの違いとは?立場や優位性、最新の動向をかんたん解説

当記事はPRが含まれています

「サブコン」「ゼネコン」とも、建設業者や建設会社を意味するものの、違いがよくわからない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、サブコンとゼネコンの違いや関係性、それぞれの優位性、最新の動向を解説します。

建設業界の解像度を深めるきっかけにしてください。

何が違う?ゼネコンとサブコンの違いとは?

参照:ゼネコンよりサブコンが上?建設業界の新秩序|東洋経済オンライン

まずはゼネコンとサブコンの違いや主な仕事内容、それぞれのやりがいを確認しましょう。

ゼネコンとは

ゼネコン(general conductor:ゼネラルコンダクター)とは、工事一式を受注する総合建設業や総合工事業を指す言葉です。

主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 大規模なプロジェクトを手掛ける
  • 設計から施工、管理まで一貫して行う
  • 専門業者への下請け依頼
  • 研究開発など

明確な定義はないものの、設計・施工・研究の3つを自社で行っていることが条件ともいえるでしょう。

売り上げ数千億〜数兆円ある会社を「ゼネコン」、1兆円を超えるゼネコンを「スーパーゼネコン」と呼ぶこともあります。

また、ゼネコンは総合的なアプローチを展開するため、大きなプロジェクトを完遂したときの達成感がやりがいです。

サブコンとは

サブコン(subcontractor:サブコントラクター)は、元請業者(ゼネコン)から工事を受注する下請業者を指します。

ゼネコンが工事一式を元請けするのに対し、その工事の一部を下請けで受託するのがサブコンです。

  • 専門的な施工を担当する
  • 専門工事の管理
  • 下請け業者の管理など

ちなみに、サブコンはさらに中小規模の事業者に施工依頼を発注することもあります。

また、サブコンは専門的な施工をメインで担当するため、高度な技術と知識が実務を通じて効果的に習得可能です。

そのため、1つのことを極めることにやりがいを感じられるでしょう。

ゼネコンとサブコン 契約方式による3つの関係性

サブコンはゼネコンの下請業者という位置づけですが、契約方式によって関係性は異なります。

主な契約方式は下記の3つです。

  • 一式請負
  • 分離発注方式
  • コストオン方式

それぞれ解説します。

一式請負

ゼネコンが発注元から工事一式を受注し、専門的な設備工事などをサブコンに外注する方式です

メリット デメリット
  • 予算内に収めやすい
  • 大規模な工事や複雑な工事でもトラブルが発生しにくい
  • 仕様変更に弱い
  • 問題があった際などに追加の請求が難しい

一式請負では、ゼネコンが指示する側、サブコンが指示される側となります。

分離発注方式

分離発注方式は、発注元がゼネコンとサブコンに工事を別々に外注する方式です。

発注者がそれぞれゼネコンとサブコンを指定するため、ゼネコンとサブコンともに「下請け」となります。

メリット デメリット
  • コストカットが期待できる
  • 発注者の要望を叶えやすい
  • 連携に時間や手間がかかる
  • 予算と工事費のズレが生じる

どちらも下請けとなるので、ゼネコンとサブコンの関係は対等です。

コストオン方式

コストオン方式とは、発注者がサブコンを指定・見積を決定した上で、ゼネコンに一括で総合管理を投げる方式です。

メリット デメリット
  • ゼネコン経費やサブコンの価格競争でコストカットが期待できる
  • 発注者の要望を叶えやすい
  • 見積が多岐わたり管理と選定が煩雑
  • 一括でゼネコンに頼んだほうが安いケースもある

コストオン方式でも、ゼネコンとサブコンの立場は対等といえるでしょう。

今やサブコンはゼネコンより強い優位性がある

近年までは「ゼネコン > サブコン」という、ゼネコンの下請けがサブコンとして広く認知されていました。

しかし、現在では「2024年問題(建築業界の働き方改革)」が施行され、立場は大きく逆転しているようです。

以前までは、短納期や低単価での発注をおこなうサブコンいじめが横行していたものの、働き方改革をはじめ、サブコンの特化した技術力向上や分離発注・コストオン方式の受注強化によって、サブコンなしにはゼネコンの仕事が進まないのが現状。

ゼネコンは、協力会社であるサブコンの囲い込みを強化しているのが実情といえるでしょう。

ただし、力関係はあるものの「総合力のゼネコン・専門力のサブコン」として、両者とも特化した側面があります。

ゼネコンも負けてない!2024年問題を皮切りに発言力が向上

サブコンの優位性がもてはやされる中、ゼネコンも負けていません。

ゼネコンやゼネコンの関連団体である日建連では、発注者であるディベロッパーへ工期の適正化への声を強めています

これも、2024年問題を踏まえての動きです。

今までは、発注者の権力が最大であったものの、ゼネコンの発言力向上によって、さらに労働環境の改善が見込まれます。

まとめ

ゼネコンが工事一式を元請けするのに対し、その工事の一部を下請けで受託するのがサブコンです。

サブコンとゼネコンは、”総合力”か”専門力”かが大きな違い。

近年ではサブコンの立場改善、ゼネコンの発言力向上によって、建築業界に新しい風が吹いています。

製造業・建設業のためのホームページ制作サービス