投稿日:2025年06月15日/更新日:2025年06月15日
海外の有名建築家3名と代表作を紹介|建築の魅力を深掘り!
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世界には多くのすぐれた建築家が存在しています。
この記事では、海外の著名な建築家3名と代表的な建築物を紹介。
建築の奥深さや魅力をより一層楽しむきっかけにしてください。

建築家の仕事
建築家とは、建築の設計や監理、その他建築関連業務を担う職業です。
人間が使う点を考慮して、建築物や建築物を取り巻く敷地内の空間を設計しています。
日本にも、安藤忠雄や隈研吾など、すぐれた建築家が多くいますが、この記事では海外の有名建築家を3名とそれぞれの代表作を紹介します。
好きな建物を設計した建築家を知ると、よりいっそう建築を楽しめるでしょう。

フランク・ロイド・ライト
フランク・ロイド・ライトは、1867年アメリカのウィスコンシン州生まれの建築家です。
日本でも旧帝国ホテルをはじめとする多くの建築を手がけています。
フランク・ロイド・ライトは、建物の高さをおさえ水平線を強調したライトならではの建築スタイルである「プレイリースタイル」を確立。
プレーリースタイルは、近代建築の幕開けともいわれます。
現在の建築にも大きな影響を与えており、日本でも高級住宅地などでプレーリースタイルを取り入れた住宅が増えています。
代表作1:落水荘
参照:フランク・ロイド・ライトによる美しすぎる傑作住宅「落水荘(フォーリング・ウォーター)」|casa
落水荘は、1936年に建てられたアメリカのピッツバーグ郊外の別荘です。
なんと言っても、滝の上に大胆に張り出すカンチレバー構造が大きな特徴。
自然と建築の融合を目指した「有機的建築」の代表作で、岩盤に根ざした石積みの壁と水平ラインが風景と一体化しています。
水音が響く空間は視覚だけでなく、五感で自然を感じられる設計となっています。
一度見ただけで記憶に残る「20世紀の最高の住宅」といわれているのも納得です。
代表作2:ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館は、1959年に完成した近現代美術を扱う美術館です。
まるで「かたつむりの殻」のような螺旋状の構造が特徴。
中央に大きな吹き抜けがあり、来館者はエレベーターで最上階まで上がり、らせん状のスロープを下りながら展示を鑑賞するというユニークな動線が魅力です。
なお、グッゲンハイム美術館は2019年に世界遺産に登録されました。
代表作3:自由学園明日館
参照:重要文化財自由学園明日館
自由学園明日館は1921年に設立され、2021年4月に100周年を迎えました。
日本に現存する数少ないライト建築のひとつで、重要文化財に指定されています。
しかし、木造の建物は老朽化が進み、雨漏りなどで使用できない場所も増えているとのこと。
バブル景気のなかで一時期は存続の危機にあったものの、現在は重要文化財の指定を受けたため、保存していく方針です。
アルヴァ・アアルト
アルヴァ・アアルト(1898–1976)は、フィンランド出身の建築家・デザイナーで、北欧モダニズムの巨匠。
自然素材や曲線を活かした「人間的な建築」が特徴で、家具や照明のデザインでも世界的に知られています。
特に、日照時間が限られる北欧で、少しでも室内を明るく楽しむために考えられた自然光デザインや、代表作であるチェア「スツール 60」のような、木材などの自然素材を使った有機的なフォルムが特徴です。
代表作1:アアルト自邸
1936年にアアルトが自ら設計して建てた自邸です。
1955年にアアルトスタジオが完成するまでは、アトリエとしても使用されていました。
白い壁の空間に木材やレンガなどの自然素材を取り入れ、モダンな雰囲気とぬくもりを感じる空間です。
現在は、アルヴァ・アアルト財団の管理と運営のもとでオフィスとして使用されており、一年を通してガイドツアーを実施しています。
参照:アアルト自邸 / アアルトのスタジオ|Artek Tokyo Store
代表作2:アカデミア書店
アカデミア書店は1969年に完成したフィンランド・ヘルシンキの老舗大型書店書店です。
白大理石を用いた3層吹き抜けの空間と、本を開いたような形の天窓が特徴。
自然光がやわらかく差し込む設計で、まさに「本を読むための聖堂」とも言える空間です。
木の質感を大切に尊重し、ゆるやかな曲線を効果的に使っています。
参照:アルヴァ・アアルトが手掛けた北欧・フィンランド最大の書店「アカデミア書店」|casa
代表作3:レストランサヴォイ
レストラン・サヴォイ(Savoy)は、フィンランド・ヘルシンキのエスプラナーディ通り沿いにある老舗の高級レストランで、1937年に開業しました。
内装はアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト夫妻が手がけ、北欧モダニズムを象徴する空間として世界的に知られています。
2020年1月に大規模リニューアルオープンを実施しましたが、コロナウィルスの影響でクローズ。
2020年6月3日には営業を再開しており、現在はオリジナルデザインを尊重しながらもモダンにアップデートされた空間となっています。
「ヘルシンキの街並みに親しみやすいレストランを作る」をテーマに建築され、壁と天井には白樺の合板を使用。
自宅にいるような居心地の良い雰囲気とやわらかい印象を与えるレストランです。
あなお、料理はフレンチをベースにした北欧モダン料理が提供されています。
参照:アアルト夫妻がデザインした伝説のレストラン サヴォイ:その歴史とモダンに生まれ変わった魅力|建築空間物語
フランク・ゲーリー
ランク・ゲーリー(1929–)は、カナダ出身・アメリカ拠点の建築家で、脱構築主義を代表する存在です。
曲線やチタン素材を用いた彫刻的な建築で知られています。
フランク・ゲーリーが建築界に名をとどろかせたのは、1979年の自邸のリノベーション以降。
「ゲーリー自邸」は、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞や、高松宮殿下記念世界文化賞などを受賞しました。
代表作1:ゲーリー自邸
1978年当時で築60年のバンガローをリノベーションした自邸です。
ゲーリーが国際的に名を知られる建築家になったきっかけとなりました。
インスピレーションをカタチにするという実験的な手法を取っており、トタンや合板、金網など高級な素材は使われていません。
構成は、昔ながらのバンガローを、ワイヤーメッシュや合板、トタンなどがおおっています。
新旧融合のスタイル、合板や金網などの安い材料を使った遊び心が満載な増改築を行いました。
参照:死ぬまでに訪れるべし!巨匠フランク・ゲーリーによる建築作品15選|modernliving
代表作2:ウォルト・ディズニー・コンサートホール
ロサンゼルス・フィルハーモニック楽団とロサンゼルス・マスター・コラールの拠点で、2003年、ダウンタウンに完成したコンサートホールです。
設計着手から完成まで15年もの年月を要し、ゲーリーのターニングポイントとなりました。
ホールの音響設計は日本人の豊田泰久が担当しています。
メインホールは、硬質木製パネルで構成され、音響に優れているのが特徴。
波打つステンレスパネルのファサードは、ロスの都会環境に合わせて光りすぎないマット加工になっているため、昼はカリフォルニアの強い日差しを反射し、夜はライトアップが美しいデザインです。
また、内部にも曲線をうまく利用して西海岸らしい開放感を演出しています。
代表作3:ビルバオ・グッゲンハイム美術館
1998年に開館した、スペインのバスク自治州ビルバオ市にある近現代美術専門の美術館です。
外観は巨大な鉄製の船のようなデザインで、ビルバオの街を世界的な観光地にしました。
規則性のない設計でありながらもいびつさを感じさせない奔放で自由なデザインです。
内部空間は、一般的なホワイトキューブではなく、ゲーリーらしい不定形な曲面から構成されています。

まとめ
建築家は、空間をデザインし、機能性と美しさをかねそなえた建築を生み出す重要な存在です。
この記事では、世界の3人の著名な建築家と、その代表作を紹介しました。
それぞれの建築は個性的でありながら、共通して環境や文化と調和するデザインが特徴です。
ぜひ実際の建築物を訪れ、その魅力を体感してみてください。