投稿日:2025年07月17日/更新日:2025年07月17日

デベロッパーとは?大手7社(メジャーセブン)と業務内容や今後の動向を紹介

当記事はPRが含まれています

デベロッパーは、不動産業界の花形ともいわれる職業の1つ。

街づくりの企画・開発から販売、管理までを一手に担い、高収入で就職・転職先としても人気です。

本記事では、デベロッパーの基本的な役割や仕事内容を解説し、業界を牽引する大手デベロッパー7社、通称「メジャーセブン」の特徴や強みを詳しく紹介します。

この記事を参考に、デベロッパー業界の現状と今後の展望についても考えてみてください。

デベロッパーとは

デベロッパー(Developer)とは、不動産業界において「土地や街の開発をする事業者」です

デベロッパーといわれる企業はプロジェクトの基礎になる部分の企画・開発を担っています。

なお、デベロッパーの事業内容はおもに以下の3種類です。

  • 総合デベロッパー:多種多様な不動産の企画・開発を行う
  • 専門デベロッパー:住宅・商業施設など、特定の不動産に特化して企画・開発を行う
  • 公的デベロッパー:都市の再生や地域の基盤整備など、公的な立場から開発を主導する(民間のデベロッパーと協力して開発を行う場合もある)

ただし、企業によってデベロッパーの事業内容は異なります。

デベロッパーは高収入で、勤務時間も良識的なホワイト企業が多くあります。

特に大手では平均年収が1,000万円を超える企業も多く、就職・転職先としても人気です。

デベロッパー大手7社を紹介

デベロッパー業界の大手は以下の7社で「メジャーセブン」とも呼ばれます。

  • 住友不動産株式会社
  • 株式会社大京
  • 東急不動産株式会社
  • 東京建物株式会社
  • 野村不動産株式会社
  • 三井不動産レジデンシャル株式会社
  • 三菱地所レジデンス

それぞれ詳しく紹介します。

住友不動産株式会社

住友不動産は、東京都心部を中心にオフィス賃貸や、分譲マンション事業に注力しており、新宿が主要エリアです。

主力はオフィスビル事業ですが、マンションの供給戸数は業界トップを誇ります。

2023年の売上高は9,399億400万円です。

また、六本木・西新宿エリアをはじめとして再開発も多く手がけています。

泉ガーデンや住友不動産新宿グランドタワーなどの大規模複合開発が代表例です。

株式会社大京

株式会社大京は、東京都渋谷区に本社を構える1960年創業の大手不動産デベロッパーです。

有名な「ライオンズマンション」をはじめ、国内で初めてオートロックマンションを採用しました。

大京では、グッドデザイン賞の受賞経験も多くあり、現在まで中古市場でも根強い人気がある高級賃貸マンションが多いのが特徴です。

なお、大京では「穴吹工務店」を子会社にして事業規模を拡大しています。

東急不動産株式会社

東急不動産は、1953年設立の総合不動産産業で、東京都渋谷区に本社を構えます。

住宅・オフィス・所業施設・リゾート開発など幅広く事業を展開中です。

特に住宅ブランド「ブランズ」や、商業施設「東急プラザ」「キューズモール」、「東急百貨店」など、聞き馴染みのある施設を手掛けています。

また、環境先進マンションを目指してグリーンライフスタイルを提唱しており、EV充電器の設置や、敷地内の緑化を推進。

「未来まで続く、環境にも人にもやさしいウェルビーイングな暮らし」を提案しています。

東京建物株式会社

東京建物は、創立は明治29年のデベロッパー大手7社でもっとも長い歴史を持っている総合不動産デベロッパーです。

「ブリリア(Brillia)」シリーズの分譲マンションをはじめ、ハイグレードな高層マンション「ブリリアタワー」や「ブリリアシティ」といったブランドを展開。

ほかにも、都市の開発にも注力しており、「中野セントラルパーク」や「Hareza池袋」「都立明治公園」なども手掛けています。

野村不動産株式会社

野村不動産は、住宅・オフィス・商業施設の開発や管理を手掛ける総合不動産会社です。

主力ブランドである「プラウド(PROUD)」のマンション・戸建ての供給で、他社との差別化を図っています。

また、中規模サイズで大規模オフィスと同等の機能性や快適性を追求した「PMO」のサービスも展開中です。

グッドデザイン賞を15年連続で受賞し、2022年現在の顧客満足度調査では、首都圏のマンションで4年連続1位に輝きました。

三井不動産レジデンシャル株式会社

三井不動産レジデンシャルは、三井不動産グループの住宅事業を担う中核企業として2005年に誕生しました。

分譲マンション「パークシティ」や「パークコート」「パークタワー」など、さまざまなチャネルへブランドを展開。

また、湾岸エリアや選手村跡地の大規模開発「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」は、リアルな「街」を形成し、都市型住宅の先駆けとして注目をあつめています。

三菱地所レジデンス株式会社

三菱地所レジデンスは、1957年設立の藤和不動産を全身に、2011年現社名へ統合したデベロッパーです。

代表的な建物は丸ビル(東京都千代田区大手町)・横浜ランドマークタワー(神奈川県横浜市)など。

ほかにも、スタンダードな「ザ・パークハウス」や、よりハイグレードな「ザ・パークハウス グラン」など、駅近・駅直下などを展開しています。

また、三菱地所レジデンスは、海外事業の展開にも積極的であり、アジア・欧州などでの事業拡大を進める方針を固めています。

デベロッパーの仕事内容

デベロッパーの仕事は事業の流れに応じて以下のように担当がわかれます。

  • 用地取得
  • 企画・開発
  • 販売
  • 管理

それぞれの担当でプロジェクトチームを組み、1つの開発案件を進めています。

用地取得

用地取得するためには最初に情報収集を行わなければいけません。

たとえば、不動産流通会社や地権者、現地調査などから土地に関する情報を集めます。

土地のポテンシャルを分析して、まちづくりに適しているかを検討します。

用地取得においては、地権者と繰り返し交渉を行わなければいけません。

そのため、大きな案件だと開発事業全体が完了するまで数年以上かかる場合もあります。

ただし、行政が主導する街の再開発などの場合は、土地の取得には関わりません。

用地取得においてデベロッパーは、設計や事業の管理責任者として委託を受けてプロジェクトに関わります。

企画・開発

企画の段階では、取得した土地のまちづくりの方向性やコンセプトを考えます。

土地の歴史や周囲の環境をさらに深く調査し、最適な施設や街となる計画を立てています。

企画したコンセプトや計画に基づき、建物の設計図を描いたり外観や内装のデザインを考えたりするのが開発です。

設計やデザインは、設計士やデザイナーと協力しながら進めます。

建物のデザインや設計が決定したら、建設会社が建設工事を行います。

建築工事をゼネコンに依頼してからも、事業主として建物品質や工事の進行状況が契約通りであるかを管理するのがデベロッパーの仕事です。

販売

建物が完成したら、不動産流通会社や管理会社と協力して営業販売します。

営業販売するために、オフィスビルや商業施設のテナントとなる見込みがある企業・事業者をリサーチします。

デベロッパーの大きな収益源はテナントからの賃料です。

なお、テナントとは、オフィスビルや商業施設に入る事業者です。

販売は、大きな企業であれば自社内で完結し、小さな規模のデベロッパーは外注するケースが多く見られます。

管理

建物が完成した後の維持管理もデベロッパーの仕事です。

管理が行き届いていないと入居率が下がり、利益が上がりません。

そのため、適切な管理を実施し、建物の価値を維持しています。

なお、系列会社に管理業務を委託する企業もあります。

また、土地の売買・賃貸の手続きの際に発生する事務作業には、個人情報や社外秘が含まれるものがほとんどです。

そのため、法務・総務管理もデベロッパーの重要な役割です。

デベロッパー業界の今後

デベロッパー業界は、大規模開発になると莫大なお金が動く業界であるため、金利の上昇や景気の変動などの社会情勢に大きな影響を受けます。

近年では、住宅需要やオフィス需要もテレワークの広がりによって減少傾向です。

そのため、デベロッパーの複合開発や街づくりの知識を高齢者向け住宅を核とした、持続可能な街づくりへと活課さなければいけません。

つまり、デベロッパー業界は、これからの家族のあり方などに新しく提案できる事業領域でもあります。

また、国内市場が縮小しつつある近年では、デベロッパーの海外進出が増加中です。

特に、東南アジアは今後も発展が期待できる国が多く、物件を建てる土地と物件の需要が高まっています

まとめ

デベロッパーは、用地取得や企画・開発、販売、管理など、街づくりにおける幅広いプロセスを担う重要な存在です。

特に「メジャーセブン」と呼ばれる大手デベロッパー7社は、それぞれ独自の強みやブランドを展開し、日本の都市開発をリードしています。

テレワークの普及による需要の変化や国内市場の縮小している近年では、高齢者向け住宅を核とした街づくりや海外進出など、新たな事業領域への挑戦も始まっています。

社会の変化に対応しながら、デベロッパーは今後も私たちの暮らしや社会に新たな価値を提供し続けるでしょう。

製造業・建設業のためのホームページ制作サービス