投稿日:2025年05月10日/更新日:2025年05月10日
建設業の外国人労働者|雇うメリットや注意点、受け入れ方法や準備を解説
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日本において、各業界で労働者不足が叫ばれている状況です。
その中でも、建築業では今後深刻化するとみられており、早めに対応する必要があるといわれています。
なぜ日本人が減っているのか?外国人を雇うメリットはあるのか?など、疑問に思う方もおおいのではないでしょうか?
本記事では、外国人動労者の現状をはじめ、雇うメリットや注意点、雇う際の手順などを詳しく紹介します。
ぜひ新たな労働力、外国人労働者について学んでみましょう。

外国人労働者の受け入れ状況
外国人労働者の受け入れは、建築業に限らず様々な業界で行われています。
2023年(令和5年)の外国人雇用が初めて200万人を超えて大きな話題を呼びました。
参照:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)|厚生労働省
また、建設業の外国人労働者に限定してみても144,981人、2016年と比較すると外国人労働者の数は3.5倍にも増加。
国籍別でみると、ベトナムが最も多く、次いで中国とフィリピンが続きます。

建設業で外国人労働者が増加している3つの理由
建設業で外国人労働者が増加している理由は、日本人労働者を確保できていないことが主な要因です。
なぜ日本人労働者を確保できないかの理由については、以下が考えられます。
- 人材不足が続いているから
- 人が一極集中しているから
- 建設業の独自ルールが多いから
各理由について、詳しく解説します。
人材不足が続いているから
1つめは、人材不足が続いている点です。
少子高齢化による労働力の低下をはじめ、3Kといわれる「キツい・汚い・危険」などの建設業界の悪いイメージ、労働条件の過酷さなどが人材不足の原因でしょう。
また、現在ではITスキルなども要求される「人材のミスマッチ」も、定着の厳しさに拍車をかけています。
人が一極集中しているから
建設業は「20代の転職による入職者数が多い」傾向にあり、決して若い人から敬遠されている業界ではありません。
しかし、転職は働きやすい環境や収入増などを求めている人が多く、より大手や都市部の企業へ出る人が多い傾向です。
そのため、都会に労働力が一極集中してしまい、地方の建設業では人材不足が常に起きている状況でしょう。
また、賃金が低く設定されやすい傾向にある中で、さらに地方では低い賃金となってしまい、敬遠されている要因となっています。
建設業の独自ルールが多い
建築業ならではの独自ルールも敬遠される原因の1つです。
しがらみや年功序列、先輩後輩など、階層的な縦社会が基盤にある業界は、若い世代が入りたがらないのも無理はありません。
また、自分自身の命を守るルールでさえも、煩雑だと思われるケースも少なくないでしょう。
そのため、新しい労働力として外国人を雇い入れるケースが増えていると考えられます。

建築業で外国人労働者を雇用するメリット
建築業で外国人労働者を雇用するメリットとして、以下が挙げられます。
- 若い人材を確保できる
- 企業内の活性化につながる
- 社内教育を確立できる
それぞれ見ていきましょう。
若い人材を確保できる
外国人労働者には若い人材が多く、容易に確保できるメリットがあります。
企業側としては、長い期間活躍してくれる人材を確保したいものです。
そこで、外国人労働者を雇用すれば年齢面で長く雇用できる特徴があります。
日本では少子化により対象となる年齢の人材が年々減少している中で、外国人労働者に目を向ければ豊富な人材の中から選抜して選ぶことも可能です。
企業内の活性化につながる
外国人労働者にとっては、日本の建築業は給与水準が高くモチベーションを高めて労働してもらえる傾向にあります。
よって、企業内での活性化につなげることができるメリットがあります。
真面目で柔軟に職務に取り組む外国人労働者を雇用すれば、高齢化が進む職場環境の新陳代謝を上げることも可能です。
社内教育を確立できる
外国人労働者を雇用する場合、日本語が得意ではない方を相手として社内教育しなければなりません。
一見するとデメリットであるものの、社内教育の仕組みをより充実できるメリットともなるのです。
教育時に使用する社内マニュアルなどは、誰にでもわかりやすいものにしなければなりません。
分かりやすいマニュアルを作成することで、その結果として社内教育体制をより強固なものにできるのです。

建築業で外国人労働者を雇用するデメリット
建築業で外国人労働者を雇用する際には、デメリットも存在します。
特に、以下の点がデメリットとなるケースが多いです。
- 文化や価値観を理解する必要がある
- 言葉の壁が発生する
- 特定技能外国人を雇用する際には必ずしも安い賃金とは言えない
各デメリットについて、詳しく解説します。
文化や価値観を理解する必要がある
日本人にとって当たり前のことでも、外国人にとっては普通のことではないケースが多々あります。
日本では、郷に入っては郷に従えという言葉があるように、その土地の風俗や習慣に従うのが処世の術というのが一般的です。
日本におけるビジネスマナーを教える必要があると同時に、相手の文化や価値観に一定の理解を示すのも重要なことです。
言葉の壁が発生する
コミュニケーション手段としては会話がメインとなるものの、外国人の場合は言葉の壁がどうしても発生するので思うようにコミュニケーションが取れないケースが多いです。
建築業の場合、言葉ではなく見て学ぶ文化があるものの、細かな部分は言葉で伝える必要があり、うまく伝わらずに叱責されるケースがあります。
特定技能外国人を雇用する際には必ずしも安い賃金とは言えない
外国人労働者は、日本人よりも安く雇用できるイメージがあるものです。
ただし、特定技能外国人を雇用する際には決して安い賃金とはとは言えません。
特定技能外国人とは、国内で人材を確保することが困難な産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人の受け入れを目的とした制度です。
特に、特定技能1号を採用する場合は受け入れ負担額及び登録支援機関委託費用などがかかるため、大きな負担となるケースがあります。

建設分野で外国人労働者を採用する方法
建設分野で外国人労働者を採用する際に必要となる考え方やルール、具体的な手順を紹介します。
優秀な人材を確保するためには、正しい採用方法を理解する必要があるため、ぜひ参考にしてください。
雇用にあたって外国人は在留資格が必要
外国人労働者を採用する場合、日本人の採用の場合とは異なり在留資格の取得や管理が必要です。
在留資格とは、日本において合法的に滞在するために必要となる資格のことです。
在留資格によって、どのような仕事をどれだけの期間できるのかが決まります。
また、在留資格は学歴や職歴といった、本人の履歴や身分次第でも取得できる資格が変化するのが特徴です。
外国人労働者を雇用する際には、在留外国人の在留資格について在留カードなどをチェックして確認する必要があります。
建設分野で働ける在留資格とは?
建設業の外国人労働者に対して、違法就労にならないように注意する必要があります。
在留資格だけでも30種類程度もあり、それぞれにできる活動が異なるのです。
特に、建築業では以下の3つの資格について留意することが重要です。
- 技術・人文知識・国際業務
- 技能実習
- 特定技能
在留資格の種類を適切に見極め、管理する必要がある。
特定技能外国人労働者を採用するまでの流れ
特定技能外国人労働者を採用する場合の流れとして、以下のステップで進める。
- 人材募集・面接
- 特定技能雇用契約の締結
- 1号特定技能支援計画の策定
- 在留資格認定・変更申請
- 就業開始
人材募集
最初のステップとして、人材の募集を行います。
通常は人材紹介サービスを使用して、広く人材を募集して履歴書の送付を受け付け、最終的に面接を行い採用する人材を決めていきます。
そして、採用する人材を決めたら特定技能雇用契約の締結が必要です。
雇用契約の締結
雇用契約を締結する際には、従事させる業務の内容や所定労働時間などの細かな点について取り決めしなければなりません。
特定技能雇用契約の締結が完了したら、1号特定技能支援計画を策定します。
特定技能1号の外国人を受け入れる場合、安定して働くことができるように、業務時以外にも日常生活においても支援が必要です。
在留資格申請
在留資格申請においても、具体的な支援内容を支援計画書として策定しなければなりません。
支援内容には、公的手続きなどへの同行や日本語を学習する機会の提供なども含まれます。
そして、在留資格の申請について最寄りの出入国在留管理局に提出してください。
申請後、認可を受けるまでには1ヶ月から2ヶ月程度かかるケースが多いです。
無事、無事在留資格の認定を受けることができれば、入国して就業を開始できます。

建築業界で外国人を受け入れる場合の注意点
建築業界で外国人を受け入れる場合、以下の点に注意しなければなりません。
- 最低賃金や同一労働・同一賃金を厳守する
- 言語の壁による事故が発生しやすいのでケアを怠らない
- 文化や宗教などの違いを相互に理解する
各注意点の詳細は、以下のとおりです。
最低賃金や同一労働・同一賃金を厳守する
特定技能や技能実習制度により外国人材を受け入れた場合、賃金や各種手当などの金額が祭壇者機関に細かく確認されます。
最低賃金の厳守は当然として、日本人との同一労働・賃金も順守する必要があります。
特定技能受入計画の認定を受ける際に、同一技能・同一賃金や月給制、昇給に関してチェックされるので、確実な対応が必要です。
言語の壁による事故が発生しやすいのでケアを怠らないする
言葉の壁によってうまく作業内容などが伝わらず、事故が発生しやすい傾向があります。
特に、建築業で現場作業をメインに担当する場合、人命にかかわるような事故に発展するリスクがあります。
安全上の事故が発生すると大きなトラブルとなるため、しっかりとケアすることが重要です。
特に、安全に関するマニュアルは十分に理解するようにケアしましょう。
文化や宗教などの違いを相互に理解する
日本人にとって当たり前の行動であっても、外国人労働者には当たり前ではないケースは多々あります。
日本人の価値観を押し付けるだけでなく、お互いに密にコミュニケーションを取り理解し合うことが重要です。
その上で、丁寧に日本の仕事の進め方について教えていく必要があります。

まとめ
人手不足が深刻化する建築業において、外国人労働者の受け入れは急務となっています。
特に、従業員の高齢化が深刻化している企業にとっては、ノウハウの伝達などを考えると早急な対応が必要です。
外国人労働者を受け入れる場合、在留資格認定を受けなければならないなど複雑な手続きに対応する必要があります。
本記事で紹介した内容を参考に、人手不足で悩んでいる場合は外国人労働者の雇用も検討してみてはいかがでしょうか?