投稿日:2024年11月26日/更新日:2024年11月26日
建設業界の課題を解決するための建設DX|導入のメリットや実現のための手順を解説
当記事はPRが含まれています
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」は、昨今のビジネスシーンで注目されている言葉です。
建設業界でも、業界特有の課題を解決するためにDXの導入が求められています。
しかし、何からはじめたらよいのかわからずに取り組めていない企業も多いのではないでしょうか?
本記事では、建設DXのメリットや建設DXで用いられる技術、実現までの手順を解説します。
ぜひ建設DXを推進し、業務効率化や人手不足を解消しましょう。
建設DXとは
建設DXとは、ICTやIoT、AI、クラウドなどを活用して建設業界全体のプロセスを最適化させる取り組みです。
AIを使って危険予測をしたり、ドローンで調査や塗装、点検を行うなど、さまざまな場面で活用されています。
建設DXを取り入れる4つのメリット
建設DXは、以下の点において建設業界の課題を解決できる可能性があります。
- 業務の効率化ができる
- 省人化・省力化ができる
- 技術を継承しやくなる
- 働き方改革の促進
それぞれ詳しく解説します。
業務の効率化ができる
建設DXを活用すると、業務効率化につながります。
たとえば、測量データや設計図面などから3次元モデルを作成し、意匠表現や構造・設備設計やコスト、仕上げなどの情報も落とし込むため、一元管理が可能です。
また、ICTの導入で各セクションの情報共有がスムーズにできれば、生産性も向上します。
工務店などでは、全社的な業務効率化に向けてCRM(顧客管理)やSFA(営業自動化)などの支援システムを導入しやすいでしょう。
商談や顧客に関する情報が社内で一元管理できれば、営業業務の効率化や属人化も防げます。
省人化・省力化ができる
建設業界にデジタル技術を導入すると、人手が少なくても業務を進めやすくなります。
たとえば、建機を遠隔操作できれば、破砕や運搬などの作業を安全かつ効率的におこなえるでしょう。
危険な作業が少なくなると、作業員のストレスが減り、職場環境の改善にもつながります。
また、今まで建設現場でおこなっていた施工状況や指定材料の確認作業、監督業務を事務所や自宅からできれば、移動時間が大幅に削減され、少ない人員で多くの業務が可能です。
技術を継承しやくなる
建設DXを導入すると、熟練作業者の技術を継承しやすくなります。
AIによる映像解析を活用し、熟練作業者の操作をフォーマットとして設定できれば、熟練作業者が直接若手人材に指導しなくても、多くの人材が記録されたデータから学べます。
そのため、就業者のレベルを問わず作業を標準化できるでしょう。
働き方改革の促進
建設DXへの取り組みは、働き方改革を促進します。
デジタル技術の活用で労働生産性が向上すれば、長時間労働の是正も可能です。
また、事務手続きなどがデジタル化できれば、バックオフィス部門のテレワーク導入も期待できます。
特に、建築業における2024年問題では、残業時間の是正が重要視されているため、重要なポイントといえるでしょう。
建設DXで用いられる6つの技術
建設DXを推進するには、以下の6つの技術が欠かせません。
- AI(人工知能)
- SaaS(クラウドサービス)
- ICT(情報通信技術)
- ディープラーニング(機械学習)
- ドローン
- BIM/CIM
それぞれの技術の概要と、建設業界での活用方法について解説します。
AI(人工知能)
AI(人工知能)とは、人間の知能をコンピュータによって再現する技術です。
データの集計や分析、それを用いた反復学習などに活用できます。
たとえば、以下の場面でのAI活用が進められています。
- 建設現場の映像や画像をAIで分析し、進捗状況を把握する
- 構造設計の安全性を判定する
- 職人の技術の解析・データ化ができる
Aiが活用されると、コンピュータが自ら学んで判断できるようになるため、熟練の技術者の能力を習得させたり、人間しかできなかった工程を任せたりできます。
SaaS(クラウドサービス)
SaaSとは、クラウド上でソフトウェアのサービスを作成し、利用者に提供されるものです。
たとえば「ビジネスチャット」や「クラウド会計ソフト」のような、インターネットを介して使うソフトウェア全般を指します。
建設業に特化したものもあるため、図面や資料の共有や記録帳票の作成などがデジタル化できます。
SaaSは、インターネット環境と各ツールのアカウントを持っていれば、どこにいても利用可能です。
本社と建設現場が距離に関係なくリアルタイムで工事状況の共有や指示、進捗を確認が簡単にできます。
また、システムの維持や保守点検はクラウド提供事業者がおこなうため、コスト削減にもつながるでしょう。
ICT(情報通信技術)
ICTとは、デジタル技術によってコミュニケーションや情報共有をおこなうものです。
インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称を指し、DX推進において基盤となる技術です。
建設DXでは、遠隔地からの機器の操作にも活用されています。
特に、現場の重機の遠隔操作やドローンによる3次元の測量など、危険かつ人の手が必要な作業でICT技術による自動化が進んでいます。
ディープラーニング(機械学習)
ディープラーニングは、コンピューターが自動で大量のデータを解析して、データの特徴を抽出する技術です。
作業の自動化や機械に判断を任せるには、ディープラーニングによる「AIの学習」が欠かせません。
たとえば、大量の画像データをシステムに覚えさせ、状況に合わせて判定できれば、人間が目視していた設備の劣化などをコンピューターが判断できるようになります。
ドローン
ドローンとは、無線で遠隔操作される無人の飛行物体です。
人がおこなえば膨大な日数がかかる数百万地点の測量データの取得も、ドローンであれば15分ほどで取得可能。
また、高所や斜面など危険がともなう確認作業も、現場で目視する必要がなくなるため、従業員の安全が確保できます。
BIM/CIM
BIM/CIMとは、建物を立体的な図面で表示するデジタル技術です。
計画・調査・設計の段階から3次元モデルを利用した情報共有をおこなって、建設における生産管理を効率化させる取り組みのこと。
計画の段階から立体的な図面を見られるため、構造物のイメージがしやすく、課題や懸念点などもわかりやすいのが特徴です。
建設業でDXを実現する手順
建設業界には、危険な作業も多くあるため、ほかの業界に比べてDXの推進が困難です。
まずは小さなことから進めていきましょう。
現場の課題を洗い出す
まずは現場で何が課題なのかを理解します。
現場の声を集め、どのようなツールや機械があったらよいか考えましょう。
建設DXでもっとも大切なのは、現場の作業負担を軽くすることです。
作業負担を軽減することで、人員の定着も狙えます。
目的や戦略、ツールを選定する
次に、課題解決のための建設DXの目的や戦略、導入するツールを決めましょう。
たとえば、図面や顧客情報を一元化できるツールを用いたり、コミュニケーションツールの刷新などです。
ただし、図面や注意事項を現場と共有する場合は、下請け企業の職人個人にまでツールを広めなくてはならず、認知までには時間がかかるケースもあるため注意しましょう。
小さな範囲からはじめる
はじめから大きな変更をすると、従業員のモチベーションが下がったり、諦めたりするかもしれません。
また、ミスやかえって手間が生じる可能性もあります。
社内教育を進めながら、一部の業務から小さくはじめましょう。
まずは、ビジネスチャットでのやりとりや書類のデジタル化からはじめるのがおすすめです。
まとめ
建設DXは、人手不足やデジタル化の遅れなど、さまざまな課題の解決が期待されています。
働き方改革やコロナ禍などをきっかけに建設業界でもDXの推進が求められています。
まずは小さなことからおこない、従業員の負担を減らしましょう。
自社だけでまかなえない場合には、DX推進をサポートするサービスの活用も検討し、経営ビジョンの実現や事業の成長につなげてください。